債務整理と任意売却の整理方法の特徴を比較してみた

債務が積み重なってしまい、このままでは完済や返済が難しい状況に陥った場合、支払い方法の整理をして債務を圧縮したり、法的に帳消しにすることを総称して債務整理といいます。

任意売却の概要

債務整理の方法には、

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人民事再生
  • 自己破産

の4つの方法があり、任意売却はこのうち任意整理と一緒に行われることが多くなっています。

ただし、任意売却自体は一般的な不動産売買と変わらず、法律的には債務整理とは違った手続きであることを知っておかなければいけません。ですので、債務整理を行ったら必ずしなければいけないというわけではないのです。

しかし、任意売却は、住宅ローンが払えなくなってしまったような状況の時に、住宅ローンの残債やその返済に使うために借入して膨れ上がってしまったカードローンや消費者金融などからの債務を合算した額を、持っている住宅を売却した額で返済するというものですので、債務整理の流れの中で行われることが多く密接な関係があるといえます。

住宅の売却額だけでは不足してしまっても、大幅に債務を減らすことができるので、その後は無理のない範囲内で分割返済をすることができますし、失ってしまった住宅にかわる住まいへの引越費用などを手元に残すことができるため、新しい生活を始めることができるというのが特徴です。

相場で住宅を売却でき、新しい人生を始めるには良い方法とも言えます。

競売のリスク

住宅がある場合、債権者の申し立てによって裁判所のもと、強制的に不動産売買する競売という方法も債務返済の方法としてありますが、この場合は相場よりも低い額で競り落とされてしまう可能性が高く、思っていたよりも債務が減らないというデメリットがあるため、債務者債権者両者にとってあまりいい方法とはいえません。

ですので、住宅を持っている場合は、任意売却をした方がよいといえるのです。この時、同時に行われる債務整理方法は任意売却後の残債額によって変わってきます。

多くの場合、住宅を売却しても住宅ローンを保証していた債権回収会社に対する支払い義務は残っていますので、交渉を行って分割和解の契約を結び、分割払いを了承してもらう必要があります。

この契約をしないと、残債の一括請求をされてしまい、最悪のケースでは裁判所によって銀行預金や給与などを強制的に差し押さえられてしまうことがあるため、注意しましょう。
この手続きを結んだうえで考えたいのが債務を整理する方法です。

債務整理弁護士に相談する!

例えば、利息がなければ分割返済を無理なく行えるという場合には任意整理や特別調停、全額返済が難しかったとしても有職者で安定した収入があるのであれば個人再生といった方法が有効的です。

どうしても支払いができないという場合は自己破産となることもありますが、多くの場合は、任意整理で債務を制することが可能となっています。

ただし、現在の状況や残債額によって適切な方法は変わってきますので、任意売却と同時にどのような方法で債務をしていくのがよいのか、自分にあった最適な方法を提案してもらうために、債務整理弁護士相談することが大切です。